Tom White
オーストラリア映画とはめぐりあわせがよく、いつもハズレがないので、番組表に"AUS"と書いてあるときはなるべく観るようにしている。一方、カナダ映画とはまったく縁が無いらしく、今まで観たのはトンチンカンなものばかり。番組表に"CA"とあるときは他を当たることにしている。
ともかく、これもその例にもれずとてもおもしろかった。誰かが何かの途中でふと行く方向を変更して、そのまま元の世界と全く関係ないところで生きるという感覚がとてもいい。
何かの流れから自分だけが降りても、たいがいがそれだけのことで、自分が居なくなった為にそこにさして大きな混乱も起こらず、以前自分を囲んでいたものは、そんなことには関係なくどんどんと進んでいく。だけどその当人は、いつも自分の元居た場所を意識していて、そこで今何が起こっているかということに引かれ続けるという感じ。
と、それがこの映画の筋ということではないけれど、全編に漂うそんな雰囲気がよかった。経過にでてくる様々な人の人生にも、ビックリ仰天させられるような卑怯な展開もなく、それぞれ気が利いていて、全体が心地よい重さと深さで進んでゆく。 そうそう、そういえば、今のところ一番ハズレに近いオーストラリア映画は「Japanese Story」だ。

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