Serpico
画面から目が離せなくなるのは、たぶんあの目玉のせい。特に若いこの頃は、目玉の中に水分がいっぱいに入っていて表面に張りがあるし、色もずっと濃い感じがしてなおさら。 それにしても「アル・パチーノが都会のポリス役」と聞くだけで、どういうわけか頭の中で映画が一本完成してしまうから不思議。
でもこちらは、そんなスターにすっかりもたれかかったような作品ではなく、設定も展開も丁寧で、ある緊張感を保ちつつ、登場する人物たちを生かしながら淡々と話が進んでゆくという地味な掘り出し物。 とにかく、自分の考えを話してみると、みんなが「お前は正しい」とうなずくのだけど、結局は「そうは言ってもな」で、のれんに腕押し、というのがこの世の中だと悟った時のその孤独感といったらない。もしも観ている人のほとんどが、この状況にいる人物に共感し、深く感情移入できるのだとしたら、これはもう、みんなすぐに田舎に引っ越したほうがいい。そこに居るから関わるのであって、離れてみると、そこにはそれを含まない時間というものが平然と在ったりする。そして、大きなシステムの中で問題になるような事でも、小さなシステムの中では、全くそうならないということも多い。
と、一体全体そんな映画だったかな?という気がしてきたけれど、まあそうだったかもしれない。ただ、中盤までは気にならなかったけど、ああいう感じの人がああいう服や帽子を選んで身に付けるとはどうしても思えなかった。どう考えてもオシャレすぎ。

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