投稿

11月, 2006の投稿を表示しています

Eternal Sunshine of the Spotless Mind

イメージ
まるで観ている人の頭の中をなぞったように展開してゆく映画が多い中で、これは久しぶりに「誰かの中の独特な世界」という感じで良かった。何よりも、いつも魅力的なのに、今まで一回だってハッキリと見たことがない夢の中の世界が映像としてよく再現されていたと思う。 ちょっと前にそんな巧妙な映像が満載の「 The Cell 」という映画があったけれど、どうやらこちらの方がちょっと湯加減がいい感じ。 「こうなってこうなってこうなって、こう」という水戸黄門的展開のものはもとより、そんなのありか?という劇的な展開でびっくりさせられるものよりも、やっぱり、どの瞬間もその先がどうなるか解らないというものがいい。 [Eternal Sunshine of the Spotless Mind]   [The Cell]

War of the Worlds

イメージ
「シラける俳優」というのが何人か居る。その人が出演していると聞くだけで、または劇中にちょっと顔がでてくるだけで、どうもその映画に入り込めなくなってしまうという俳優。とにかくその名を聞けば、きっと「なるほど」というのが何人か居るのだけど、その中の一人がトム・クルーズ。  ということで悪いけれど、その人を好きとか嫌いとかではなくて、そう感じてしまうんだからこれはもう仕方がない。途中ティム・ロビンスがでてきた時には、その身の上話が気になって、画面に見入って耳を澄ましたが、引っ込んだ途端にまたしらふに。 あとは大きな音や破壊シーンで画面に目を釘付けにさせられただけ。今解ったけど、「シラける」というのは要するに「主人公がひどく大変な目に遭っているのに、ぜんぜんハラハラしない」ということなので、このタイプの映画でこれは致命的。 レトロ風近未来メカ+トム・クルーズが、 マイノリティ・リポート の雰囲気とそっくりで変な錯覚に陥る。始終緊張の連続なのに、いやにあっさりとした後味もそのまんま。  確かに美味いものは食ったが、それが一体なんだったか・・・。 [War of the Worlds]

Spring, Summer, Fall, Winter... and Spring

イメージ
劇場で観られたらよかったのに、と、うちのテレビの画面にぜんぜん入らないような、まてよ、実は丁度いいのかな?というようなスケールの美しい風景が舞台。 山間にぽつんとある湖の真中に浮かんだお寺なんて、誰でも行ってみたくなる。そこでの生活はきっと不便なことも多いのだろうけど、そのかわりに何かずいぶんと得をしそうな感じがしてならなくなった。 それはそうと、そんな場所の淡々とした時間の流れに、いくつかの人生が乗ってゆくのだけれど、人間のつくる抑揚などに乱されることなく、そのタイトル通りのペースで進んでゆく感じが良かった。 「ただ、そこに有る」とか「ただ、起こっている」という事実について、なんの理由もないのだということを感じることができて、妙な安心感が生まれるのだけど、もしも自分だったらと思うとやはり、そればかりではさすがにあれになってくるので、最後にはああもしたくなってしまうだろうと思うと、笑える。あ、もちろん主人公がしたのとは違う意味でだけど。 [Spring, Summer, Fall, Winter... and Spring]

Tom White

イメージ
オーストラリア映画とはめぐりあわせがよく、いつもハズレがないので、番組表に"AUS"と書いてあるときはなるべく観るようにしている。一方、カナダ映画とはまったく縁が無いらしく、今まで観たのはトンチンカンなものばかり。番組表に"CA"とあるときは他を当たることにしている。  ともかく、これもその例にもれずとてもおもしろかった。誰かが何かの途中でふと行く方向を変更して、そのまま元の世界と全く関係ないところで生きるという感覚がとてもいい。 何かの流れから自分だけが降りても、たいがいがそれだけのことで、自分が居なくなった為にそこにさして大きな混乱も起こらず、以前自分を囲んでいたものは、そんなことには関係なくどんどんと進んでいく。だけどその当人は、いつも自分の元居た場所を意識していて、そこで今何が起こっているかということに引かれ続けるという感じ。  と、それがこの映画の筋ということではないけれど、全編に漂うそんな雰囲気がよかった。経過にでてくる様々な人の人生にも、ビックリ仰天させられるような卑怯な展開もなく、それぞれ気が利いていて、全体が心地よい重さと深さで進んでゆく。 そうそう、そういえば、今のところ一番ハズレに近いオーストラリア映画は「 Japanese Story 」だ。   [Tom White]